2016年7月16日土曜日

北海道へ行くの巻 (下)



宿の朝。



翌朝、出発のときに玄関に猫がいた。
一緒に写真を撮らせてくれるなんて珍しいですよ~。とオーナーは笑った。



一息つくために、常連のたまり場みたいな喫茶店に入った。
店はやたらと広くて、長椅子対面の6人席に一人で座った。

モーニングセットのゆで卵には賞味期限が印刷されてあった。
僕にとっては珍しいことだ。


その喫茶店には朝から色んな人が訪れた。
色んな人と言っても、一般的なご近所さんたちだけれど。

喫茶店で時間をつぶしたのは、
「キッチンぐるぐる」が午前11時オープンだからだった。

ぐるぐるは、大介君から聞いた、レストラン・ライブバーのようなところ。
満月の日に合わせてオープンマイクが開催されている。

今回は満月の時期ではなかったのでせめてご飯でも食べていこうということで訪れた。
タコスとグレープフルーツジュース。
全体的に木っぽい内装でこじんまりとしていて、でも狭苦しくなく、
演奏するにもお食事をするにも気持ちのいい空間。

説明するのが面倒だったので、とくにマスターと会話をしなかったが、
今度は演奏を見たりしたりすることがあればいいな。

昼前に電車で札幌へ戻る。
ものごっつい雨が降ってきた。
晴れてさえいれば公園とかに座れるのにな。
この旅行中には、観光だけでなくて勉強もしようと思っていた。
旅は持ち物が少ない=誘惑が少ないから読書とか勉強には最適!

マルセイコーヒーというとこに入った。
今月、TOEICをまた受ける(定期的に受けてるだけで、特に意味はない)ので新しい本を買ったのだが、
あまり納得のいかない本だった。
でもやりきるしかないしなぁ。
あと、医療手技のマンガ。
この2冊が旅のお供。無職のうちに勉強しとかんと。

気が済んだくらいのところで、隣に大学生らしき男女二人組が座った。
女子が先輩のようだった。
蓋然性がナントカという難しい話をしていた。
かわいい声で喋りまくる身長が低い先輩と、
聞きながら意見も言える好青年だった。
喫茶店という場所を考えればめっちゃやかましかった。
頑張れ若いの。

駅ビルで豚丼を食べた。
ただの豚丼ではない、ただものではない豚丼だ。
800円くらいするけど後悔しない。
北海道にはそんな代物がある。

その後19時ごろに大介君と合流し、
Mellowというライブバーのオープンマイクへ。
25組くらいは居たと思う。
19時すぎに入ったが、出番は22時すぎだった。
アマチュアミュージシャンというよりは、楽しくカバーをやっている人のための場所だった。
それでも僕らのオリジナルの歌を温かく迎え入れてくれた。

1. ビッラルさんのモジャカレー
2. あれもこれも

終演後、コンビニで北海道限定の山わさびカラムーチョと酒を買って大介君の家で飲んで寝た。

気付けば遅めの朝だったので起床10分くらいで出発した。

北海道で有名らしいセイコーマートというコンビニで、自社ブランドのメロンアイスを食った。
市街地まで徒歩30分。
初日に泊まったカプセルホテルにまたチェックインして荷物を置いて、北海道大学へ。
これらは歩くのが好きな人なら歩ける距離。

北大はめちゃくちゃ豪華だった。
学舎に着くまでに芝生と森と川があった。
お昼に学食にしようと思ったが異常に安かったので、怯えてその隣のパン屋のパンにした。
でもあとで学食の定食の現物を見ると予想に反して美味そうだった。
次回は学食の飯を食うべきだ。


カプセルホテルのあたりに戻ると、大通りがホコ天になって出店が出ていた。
見物しようと思ったが、人が多すぎてやめた。
人ならいつでも見れる。
でも北海道の人は美人かもしれないと思った。
東京ではおしゃれな人が多いのに対して、
札幌では、服装は奇抜ではないが全体的に清潔感があるという女性が多かった。

昼下がり、「市電」と呼ばれる路面電車に乗ってロープウェイ乗り場へ行く。
30分ほどで着く。
ロープウェイで山に登れば札幌市を一望できるらしい。
でも今回はいいかな。
乗り場まで行って、なるほど…と歩き回って、
山のふもとの「宮越屋珈琲」という、ご当地チェーン(と思ったら東京にもあるやないか)の喫茶店に入った。

すごく高級感があった。他の店舗よりも高級感を出しているようだった。
そんな場所でTOEICの勉強をするんですが…。

夜は大介君と合流して回転寿司へ。
そらぁおいしいです。

その後居酒屋へ。
札幌でやたらと目にする「ザンギ」というものを食べた。
唐揚げと何が違うのかは聞いたけど、
味で区別しろと言われたらできない。

翌日、朝からまた大介君と合流して、スープカレー屋さんに並んだ。

平日であっても開店前から行列ができている。
僕はスープカレーを食べるのが初めてだった。
和風だしの優しい味が全体を支配していた。
具の野菜は素揚げ。素揚げは美味しくなるけど、蒸し野菜くらいでいいんちゃうかな。
いや、自分が数日間脂っこいものを食べすぎてるからかも。

その後は一人でお土産探し。
スープカレーは驚異の腹持ちだった。

ホテルで昼寝をして(贅沢な旅である)、その後DOのラーメン屋へ行った。

隣でラーメンを食っていたのは
日本人にすぐ「ロシアの方ですか?」と言われそうな、
お人形さんみたいな色白の美しい女性だった。
味噌ラーメンは美味しかったと思うけどそっちのインパクトの方が強かった。
そもそも水道水がうまいから何でもうまくなるんちゃうんかと思ってきた。

再び大介君と合流して、札幌市街地にあるOYOYO(オヨヨ)のオープンマイクへ。
こちらは一昨日のとは対照的で、
オリジナルのシンガーソングライターばかりだった。

1. ビッラルさんのモジャカレー
2. メルボルンCity Loopの歌
3. 大横川親水公園の猫
4. あれもこれも

普段からライブをやってる場所ではなく、
多目的カルチャースペースみたいなところ。
小樽の「ぐるぐる」の「満月ライブ」から派生して「新月ライブ」というオープンマイクをやっている。
マスターは渋くてナイスなオジサンだった。
演者とお客さんと楽しくつながることができた。
僕は翌日に札幌を出る予定だったので、
出会えて嬉しかったがやっぱりすぐ離れるのは残念だった。
また札幌で歌えるといい。

翌日、東京に戻る。
飛行機に乗りたくない+北海道新幹線を体験したいという理由で、
あえて時間をかけて電車で帰ることにした。

でもそれだけじゃつまらないのでついでに函館で降りる予定にした。
どのみち乗り換えなければいけないし。
札幌から函館まで特急で4時間。ほとんど窓の外を見てた。
なんにもないけど面白かった。

コンビニで、大阪や東京では見かけない「とうきびアイス」を買った。
韓国で食べたような気はする。
身近にあったら結構な頻度で食べそうなくらい好き。
見物の時間は4時間くらいしかなかったので中途半端だったが、函館に行った気分にはなった。
ここも一人で来るようなところではない。

ほんで(昼どきは過ぎたというのに)めっちゃ並んでるラーメン屋を断念して、
すいてる店の塩ラーメンを食べた。
東京はこってりラーメンが主流で、ラーメンてそんなもんやと思ってたけど、洗脳されてたわ。
全然あっさりでええわ。

DOの、ラッキーピエロという名物ハンバーガー屋さんに行くべきだった!が、
見つけて思い出した。時すでに遅し。

『函館~札幌意外と離れてる事件』に続き、
実は、函館市街地のある函館駅と新幹線の新函館北斗駅もちょっと離れてる。
電車で30分弱である。

新函館北斗駅に着けば、は~るばるきたぜだと思っているテッキリ者がほとんどではないだろうか。
僕も特急券を取るまで知らなかった。

新函館北斗駅で新幹線の出発まで時間があったので降りてみた。
なんにもなかった。

東京には何でもあるけど「なんにもない」がない。
札幌もそうだった。
札幌~函館の特急列車で「なんにもない」窓の外を見てる4時間が楽しかったのは、
何も押し付けられることがないからだったのだ。

新函館北斗駅の売店で北海道限定フレイバーの「じゃがですよ」があったのでうおーなんじゃこれって買った。
(結局、何かはある)
北海道限定と言われても僕はそもそも「じゃがですよ」がよくわからない。
じゃがですか…

東京行きの新幹線では、青函トンネルを抜けたあたりから夜になって、
真っ暗になった窓の外はそんなに楽しくなかった。
人は夜になったら寝るものなのだ。

都会に帰ってもマイペースにゆっくりしよ。

かん!