2017年9月16日土曜日

思い出のマーニ―の思い出


「本を人知れず読んで読み終わっておしまい」
ってのも虚しい感じがしたので
読後感を文字に起こそう。

洋書ともなると余計に、感想を共有できる人がいないのです。
ちなみに、バンバン洋書を読めるタイプではありません。
そうなりたいですけど。


When Marnie was There

金曜ロードショーでたまたま思い出のマーニーを見たことがあって、
原作が英語やと知って、これは勉強のチャンスだと思ってアマゾンで紙の書籍を買いました。

物語のネタバレが嫌ならお別れです。また来週。
次回はThe Little Princeです。」

主人公の「見た目がひとと違う」ってのが、
ジブリ映画では目が青いという点だった。
原作では逆に、なんか髪が黒くてラテンが入ってるんやったかな。やった気がする。
違うかったらごめん。結構だらだら時間かけて読んだので。

原作のほうが主人公の心理的描写が文字なので生々しい。
でもこっちの方が感情移入できた。
映画ではアニメーションの美しさとか同情が優位になってしまうが、
原作ではもっと世の中の理不尽さを語っていた。
原作者の子供のころの感情に由来しているらしく、非常にリアルだった。

マーニーは、家庭が裕福なのに自分は自由にさせてもらえない。
そんなことならいっそ荒れた家庭で自由にさせてもらえないほうがましだ、
理にかなっている、とそこまで言ってないが
そんな文脈のことを言っていた。
アンナはその逆のことを言ってたと思ったがなんかよくわからなくなってきた。

要するに、お互いがお互いの環境を羨んでいるが、
当事者からからすればぜんぜんイケてない。人生そんなもんなのだ。
この点は映画ではあんまり重視されてなかったような気がする。

あとはマーニーが突然消えたりとんちんかんなことを言ったことに対して、
アンナが終盤でジブリ映画にならないくらいマジキレしていた。
いや、怒るであれは。
でもアンナの心中での収拾の仕方が現実的だった気がする。
また、「気がする」のか。
読んでからだいぶ経ったからな。

キンドルを買ったのでザッと再読すべきですねこれは。

クライマックスのばあちゃんの謎が解けるところは映画と全然違った。
そこの展開が結構長いので、確かに映画で再現する必要はない。
読んでてワクワクしました。

英語に関しては、50年くらい前に書かれたものなので古めかしかった。
田舎なので方言もあった。
あと登場人物が9割女性なのでsheが多くて読むのにコツがいる。
そんな全部sheで指されても誰のこと言ってんかわからん。
いえ、情景を浮かべられていない証拠でもあるのでだいだい私が悪いです。

この物語は有名らしく、何回も装丁を変えて出版されている。
で、僕が買ったのが「ジャパンでアニメになります!」ってシール貼ってあるやつやった。
たぶんそれが理由で、あとがきにはちょこっと日本人のエピソードが書いてあった。

あとがきを書いたのは作者の娘さん。
ある日、英語がほとんど話せない日本人の男性が、物語のモデルとなった町にやってきた。
日本語版の「思い出のマーニー」を読んでその地を訪れたくなり、
なんとかバスを乗り継いで来たそうな。

それがジブリ関係者です! となればテレビ的に良い話だが、
そうではなさそうだった。

いちオタク男性ではないかと思う。

あとがきを書いている人の名前を検索すると、ネット記事で現地の家の写真が紹介されていた。
見て得といえば得だし、損と言えば損だった。

丁寧に説明する必要はない。お客さんのアタマンナカがいちばんの映像なんです。
と落語家。
顔がわかるが名前がわからん。

感想文を書いてみて、
わかってへんやん!再読するしかないな!
と実感しました。